築30年の中古住宅購入のススメと中古住宅選びの観点(退職まで3,638日)

築30年の中古住宅を選んだ理由と、その後の生活について詳しく紹介します。手頃な価格、駅近の好立地、そして経験値を高めて次の住宅を購入する足がかりとした体験を紹介します。

それまでの社宅生活中に貯金にいそしみ、500万円ほどの貯蓄ができていました。しかし、新築住宅は当時3,500万円ほどが相場。夫婦で相談した結果、多額の住宅ローンを抱えるよりも、できるだけ少ない負債で住宅費を削減するにはどうしたら良いかを話し合いました。

1. 中古住宅購入の決断背景

2008年、私たちは新築ではなく築30年の中古住宅を購入することを決めました。私達夫婦が住宅を購入したのは、私が28歳の時。購入を決断した理由には、いくつかの重要な要素が絡んでいました。まず、何よりも価格の面で大きな魅力を感じました。物件の価格はなんと1,250万円。地方都市の駅から徒歩15分という立地を考慮すると、非常に手頃な価格設定でした。

当時、私たちは家計にそれほど余裕がなく、住宅ローンを組む際にも無理のない範囲で計画を立てることが最優先でした。新築住宅はどうしても高額になるため、私たちには手が届きませんでした。しかし、築30年という年数が経った中古住宅ならば、私たちの家計でも無理なく購入でき、さらにはその後の生活にゆとりを持たせることができるというのが大きな決め手となりました。

2. 物件選びのプロセス

物件を探すにあたり、まず私たちは希望するエリアを明確にしました。新興住宅地ではなく、すでに成熟した街の中で、交通の便や周囲の生活環境が整っている場所が希望でした。その点、この物件は駅から徒歩15分という好立地にありましたが、念の為、昼夜の街の雰囲気を確認するために足繁く現地を確認しました。

見つけた物件は、すでに12年前に一度リフォーム済でした。リフォームから時間が経っているため、内部に多少の劣化はありましたが、それでも私たちの生活には十分対応できると判断しました。この「気合の入った物件」に、最初は少し戸惑いもありましたが、価格や立地を考えれば、これ以上の選択肢はないと感じたのです。

3. トイレ掃除

築30年、そしてリフォームから12年が経過している物件だったため、水回り、特にトイレは微妙でした。とはいえ、頑張って手作業で掃除し、なんとか納得できる状態に持っていきました。もし余裕があるのなら、キッチンやバスルームといった水回りは生活の質を左右する重要な部分ですので、リノベーションする予算を積んでおくのもよいかと思います。私達はとりあえず、そのまま住んでみることにしました。

4. 生活の変化と家族の成長

この家は私たちの家族が成長する場としても重要な役割を果たしています。購入当初は夫婦二人で暮らしていましたが、やがて子どもが生まれ、家族が増えるにつれて、この家の大きさや間取りが非常に役立つことがわかりました。リビングルームは子どもの遊び場としても十分な広さがあり、庭では家庭菜園やバーベキューを楽しむこともできました。

5. 築30年の家に住む利点と課題

利点は、やはり住宅費の削減でしょう。住宅ローンの月々支払は3万5千円程度で、負担は軽かったので、ガンガン繰り上げ返済を行い、結局5年で完済しました。

しかし、古い家にはそれなりの課題もあります。やはり年月の経過とともに、定期的なメンテナンスが必要となります。特に、屋根や外壁の塗装、給排水設備の点検などは避けて通れない部分です。それでも、これらのメンテナンスを怠らずに行うことで、家全体の寿命を延ばすことができ、結果として長期間にわたって快適に暮らすことが可能になります。

また、古い家なので容赦なくDIYリフォームを行いました。ま、失敗してもいいか、という冒険ができるので、DIY好きの方は是非挑戦してみてください。

6.中古住宅選びの観点

私達夫婦が中古住宅を選ぶ際に重視したのは以下です。

  1. 立地条件
    駅やバス停からの距離、周辺の商業施設、学校、病院などの利便性を確認します。通勤・通学の利便性や生活のしやすさに大きく影響します。
  2. 物件の価格
    予算に合わせた物件選びは重要です。物件価格だけでなく、今後の修繕費やリフォームの必要性も考慮して、総合的なコストを見積もる必要があります。
  3. 建物の状態
    外観だけでなく、構造的な問題(例えば、基礎や屋根の状態、配管の老朽化など)がないか、専門家のチェックを受けることが推奨されます。特に築年数が経っている物件は、今後のメンテナンスが必要となる場合が多いです。
  4. リノベーションの有無
    リノベーションがすでに行われている物件か、どの程度の改修が必要かを確認します。リノベーション済みの物件であれば、すぐに住めるという利点がありますが、自分好みに改修したい場合は、費用を見積もっておく必要があります。
  5. 周辺環境とコミュニティ
    近隣の治安や騒音、地域のコミュニティ活動、住民の雰囲気なども大切です。長期的に暮らすことを考慮し、周囲の環境が快適かどうかを確認します。
  6. 耐震性と災害リスク
    特に日本では、耐震基準を満たしているかを確認することが重要です。また、洪水や土砂崩れのリスクがある地域かどうかもチェックしておくべきです。

これらの観点をしっかりと評価し、自分の生活スタイルや将来計画に合った中古住宅を選ぶことが大切です。

7.中古住宅を選択して良かったと思えること

住宅購入直後から、私達は2つの選択肢を手に入れました。

  1. この土地が気に入ったら、10年位経ったら建て替える
  2. 気に入らなかったら、もっと良い場所に引っ越す

そうです、中古住宅は殆どが土地の価格なので、気に入らなければ数年住んで、売買にかかった不動産手数料を家賃とみなして売り払えば良いと思ったのです。

引っ越しを終えた直後から、土地探しを開始しました。結果として、数年住んだ後、その地域のもっと駅に近い土地が売りに出たので、住み替えることにしました。6年住んで、売却時の価格は1,150万円。なお、固定資産税もとても安く済んだし、実は地震保険に加入していたので、東日本大震災の際の保険金も入り、収支はほぼトントン(当時は地震保険に入っていない人が多く、少しの外壁の劣化などでも、多く保険金を受け取ることができたのです)。6年ほど暮らしましたが、収支はプラス。

ということで、中古住宅を売却したお金と、少ないローンのお陰で溜まった貯蓄を元に、気に入った駅チカの土地を一括購入することにしました。中古住宅のお陰で、住宅費を抑えつつ、自分の気に入った土地に家を建てることができるようになったのです。

まとめ

中古で特におすすめできるのは、新築の建売住宅を買うにせよ、注文住宅を建てるにせよ、一軒家を買う「練習」を低リスクでできることだと思います。

私達は、中古住宅を購入したことにより、「前の家はここで困ったから、次の住宅はこうしよう」とか、「ここはケチっても気にならない」とか、「ここは絶対にこだわりたい」のような価値観のすり合わせのための良い練習ができました。

家の購入を検討している方は、一つの選択肢として、中古住宅を検討してみてはいかがでしょうか。私は強くオススメしたいと思います。

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