管理職を目指すのをやめます、という宣言

【退職まで3,010日】

「俺は管理職を目指すのをやめるぞジョジョぉぉぉぉぉぉ」
ふと、あの大人気漫画の名台詞が頭をよぎった。いや、私がやめるのは、人間ではなく「社畜管理職を目指すこと」だ。先日、これまで目をかけてくれた上司から打診された管理職への推薦を、正式にお断りした。

誤解のないように言っておくが、決して仕事が嫌いな訳ではない。これまで「いずれは自分も出世して管理職になっていくのだろう」と漠然と思っていたし、仕事にやりがいがない訳ではない。むしろ、自分なりに出世を目指して一生懸命やってきた自負もある。現在の金融資産に到達できたのは、若い頃の死に物狂いの努力と、運良く出世競争を勝ち抜いてきた結果でもある。

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しかし、ここに来て「もういいかな」と完全に割り切ることにしたのだ。

目次

終わらない残業と潰れる休日

私の働いている会社では、管理職になると組合員から外れ、残業時間に制限がなくなる。昔から管理職の残業を減らそうという試みは行われてきたが、結局のところ慢性的な人材不足により、しわ寄せはすべて管理職へ向かう構造だ。

休日が潰れることも珍しくなく、お盆休みすらないのが実態だ。「お盆休みがないから今のうちに海外出張だ」と生き生きと働いている管理職の姿を見て、私には”狂気”という感想しかなかった。もちろん、好きで仕事をする人、強い義務感でそれを全うすることは、素晴らしいことだろう。好きになさればよい。

すべての人は、好きに仕事を選択する自由も、好きに家族を選択する自由もあるわけだ。選択する自由があるのだから、私は家族と過ごす時間や自分の時間が欲しいと思った。

給与アップには魅力を感じなくなった

当然、管理職になれば給与が上がり、退職金も多くなるというメリットはある。しかし、我が家の現在の資産状況を考えれば、これ以上、仕事を第一に考えて資産を積み上げる必要性が薄く、私の給与アップに対するモチベーションは皆無だ。

というのも、相場が好調な月だと、先月比で200万円以上とか増えることもあり、資産形成に占める毎月の貯蓄額の貢献度は相対的に低下しているものの、癖になってしまっているので、むしろ「使う」方向に意識を向けないと使えない。

無意味さと、自己実現への未練

一方で、権限と責任、仕事のやりがい、大きなことをやれるといった「自己実現的な欲求」が全くないと言えば嘘になる。だが、24時間365日のハードワークや、時期や部署によっては徹夜で勤務する状況を天秤にかけたとき、自分には無理だという結論に至った。本当に仕事にやりがいを感じて人生を捧げたい人はそれでいいと思うが、私にはそこまでの熱量を維持することはできなくなってきた。

出世競争敗退上等と「鎖の色」

実は、管理職の打診は今回が初めてではないが、今までは何かと理由をつけて先延ばししていた。今回はかなり上司のプレッシャーが強く、会社人生で、管理職になる気がない、ということを、正式に宣言する必要があった。そこで、管理職にならないことを宣言すると、どうなるか気になって、ネットで調べてみた。

ネット上には「出世コースから外れると周りにどう思われるか」などと世間体を気にする意見もあるが、「奴隷が自分の繋がれている鎖の色を気にしている」のと似ている。鎖が金だろうが銀だろうが、会社に縛られていることに変わりはない。同じ会社の、金色の鎖に繋がれた人が、私の鎖をみてブロンズだと笑われたところで、他人の評価などどうでもいいことだというのが、現在の私の価値観である。

”出世競争敗退”、”出世競争の脱落者”と周囲に思われても、「本気でどうでもいい」と思えるかを悩みまくったが、結局、自分にとっては、「本気でどうでもいい」ということに気がつけたのが大きな収穫だった。

誤解しないでいただいきたいのが、会社で、出世を求めて仕事を頑張る、もしくは仕事を頑張った結果、出世することは、社会人にとっての一つの自己実現の手段であり、素晴らしいことであると思う。一方私は、心の安寧と、充実した自分の時間に重きを置くことにした、という価値観の多様性の問題である。

まとめ:肩の荷が降りた、という開放感

これまで目をかけて、かわいがってくれた上司やさらに上層部には本当にありがたいと思っているが、やりたくないものはしょうがない。断った際、強い引き止めはなく「そうか、残念だが、その決断を尊重する」という反応だった。少し寂しかったのは、私の中に多少の未練、というより可能性の断絶に対する懸念があったのかもしれない。だが一方で、何たる開放感、何たる自由感。いや、今まで通り会社員であることは変わらないものの、自分の中で、何かがカチッと変わる瞬間だった。そして、55歳前後での退職目標日(2034年末)に向けて、「適切に見切られる技術」を駆使して窓際ポジションを確保し、ひたすら低コスト投資信託をバイ・アンド・ホールドし続けたいと思っている。

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