人生の3大出費:住宅・教育・老後資金への対応をサラリーマン目線で考える

【退職まで3,639日】

人生において大きな出費は避けて通れない。その中でも「3大出費」と呼ばれるものがある。住宅費、教育費、老後資金である。これらはいずれも、数百万円から数千万円規模になりやすく、家計への影響は大きい。

ただ、正直に言うと、20代の頃の自分には「富裕層を目指す」などという感覚はまったくなかった。初めて給与明細を見たとき、思っていたよりも手取りが少なくて、少し固まったのを覚えている。この金額から家賃を払い、生活費を払い、いずれ住宅費や教育費や老後資金まで準備するのかと思うと、かなり遠い話に感じた。

当時の自分にあったのは、前向きな資産形成というより、不安に近い感覚だった。このまま何も考えずに大きな支出を抱えていけば、会社にしがみつく以外の選択肢がなくなるのではないか。今思えば、その不安が、わが家の資産形成の出発点だったのかもしれない。

この記事では、住宅費・教育費・老後資金という3大出費について、一般的な金額感だけでなく、サラリーマンをしつつ富裕層を目指す自分が、どう向き合ってきたのかを整理してみる。

目次

サラリーマン家庭では、住宅費が最初の分岐点になるという持論

まず、人生で最も大きな支出のひとつが住宅費である。

住宅を購入するか、賃貸で住み続けるかによって費用構造は異なる。ただ、どちらを選んでも、家計への影響はかなり大きい。

住宅を購入する場合、多くの人は住宅ローンを利用する。日本における住宅の購入価格は、エリアや物件によって大きく変わるが、数千万円規模になることが多い。たとえば、4,000万円の住宅を35年ローンで購入するケースを考える。頭金を20%、つまり800万円用意したとしても、残りの3,200万円を長期間かけて返済していくことになる。金利や返済条件によって変わるが、月々の返済は10万円前後になることも珍しくない。そこに固定資産税、火災保険、修繕費、リフォーム費用などが加わる。

一方で、賃貸も軽い支出ではない。仮に月12万円の家賃で30年間住み続ければ、それだけで4,320万円になる。賃貸は固定資産税や大規模修繕の負担が直接はない一方で、住み続ける限り家賃は発生し続ける。

購入が正解か、賃貸が正解か。私たちは住宅を購入する決定をしたが、そこは家庭によって違うと思う。

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自分にとって大事だったのは、購入か賃貸かという二択そのものではなかった。毎月の住宅費を、どれくらいの重さにするかだった。サラリーマン家庭では、収入が急に何倍にも増えることはあまりない。だから、住宅費が重くなると、その後の家計の自由度が一気に下がる。20代の頃、わが家ではまず住宅費をどう抑えるかが大きな課題だった。このあたりの判断は、以前「会社員が資産形成するなら、まず住宅費を抑えるべき理由」として詳しく書いた。

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新築住宅をいきなり購入するのではなく、築30年の中古住宅を購入した。きれいな家に住みたい気持ちがなかったわけではない。ただ、当時の手取りで重い住宅ローンを抱えることの方が怖かった。

住宅ローンを小さくできれば、貯蓄を続けられる。貯蓄が残れば、投資も少しずつ始められる。投資を続けられれば、教育費や老後資金にも向き合う余地ができる。

その後、新築注文住宅を建てる段階では、土地、建物、住宅ローン、教育費、将来の退職時期を同時に考える必要があった。家を買うという判断は、住む場所を決めるだけではない。その後の働き方や資産形成の速度まで変えてしまう。住宅は、見た目には「住む場所」である。でもサラリーマン家庭にとっては、会社との距離をどれだけ残せるかを決める固定費でもある。だから自分は、3大出費の中で最初の分岐点は住宅費だと思っている。

教育費は、必要な時期をずらせない支出

次に大きな支出となるのが教育費である。公立中心で進めば負担はある程度抑えられるが、それでも制服、給食、教材、部活動、塾や習い事などでお金はかかる。大学まで考えると、国公立でも数百万円、私立であれば文系でも400万円から600万円程度、理系や医療系ではさらに大きな金額になる。

私立の小中高を選べば、負担はもっと重くなる。授業料だけでなく、通学費、学校行事、部活動、塾などを含めると、年間100万円を超えることも珍しくない。ただ、教育費で一番厄介なのは、金額の大きさだけではない。
必要な時期をずらせないことだ。子どもが18歳になって大学に進むなら、その時点でお金が必要になる。
相場が悪いから、家計が厳しいから、あと3年待ってくれとは言いにくい。

ここが住宅費や老後資金と違う。

住宅は、買う時期や価格をある程度調整できる。老後資金も、退職時期や働き方で多少は動かせる。
でも教育費は、子どもの年齢に合わせてやってくる。わが家も子ども二人を育てながら、教育費をどう準備するかはずっと考えている。すべてを安全資産で持つのか。ある程度リスク資産を使って、早めに増やしにいくのか。

私たちの場合は、早い段階からある程度のリスクを取り、長期運用で教育費を準備する方針にしている。教育資金をリスク資産で準備することについては、別の記事でも少し詳しく整理している。

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もちろん、将来を保証するものではない。必要な時期に相場が悪い可能性もある。それでも、教育費をすべて現金で抱えながら、老後資金も同時に準備するのは、わが家には重く、その一部を長期運用に頼るしか無かった。

老後資金は、2034年末の退職目標とつながっている

平均寿命が伸びる中で、老後に必要な資金は増えている。年金だけで生活費をすべてまかなえるとは限らず、現役時代からある程度の準備は必要になる。一般的には、夫婦で20年から30年の老後を過ごすには、数千万円規模の資金が必要になると言われる。生活費だけでなく、医療費や介護費も考えると、かなり大きな金額になる。

たとえば、年金収入が月20万円で、生活費が月30万円かかるなら、毎月10万円を貯蓄や運用資産から取り崩すことになる。年間で120万円。20年なら2,400万円。そこに医療費や介護費が加わる。

ただ、自分にとって老後資金は、65歳以降の生活費だけではない。2034年末の早期退職を一つの目標にしている。サラリーマンを続けながら富裕層を目指す考え方については、こちらの記事で整理している。

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完全に働かなくなるつもりは、今のところないが、会社に人生を預けきったまま50代後半を迎えたくはない。

住宅ローンが残っている。教育費もまだ見なければならない。老後資金も足りない。そんな状態では、結局「会社に残るしかない」となってしまう。だから、老後資金は遠い将来のためだけのお金ではない。自分にとっては、会社との距離を少し変えるためのお金でもある。

この裏付けとなる資産を、投資信託と貯蓄のバランスを考えながら積み上げていくつもりでいる。もちろん、相場も家族の状況も変わるので、計画通りに進むとは限らない。それでも、2034年末という日付を置いたことで、老後資金は急に現実の数字になった。

老後のためというより、会社にしがみつきすぎないために積み上げるお金。
自分にとっての老後資金は、少しずつそういう意味を持ち始めている。

3大出費は、別々ではなく一つながりで考える

住宅費、教育費、老後資金。この3つは、別々の支出に見える。でも実際には、かなり強くつながっている。

住宅費を重くすれば、教育費への備えは細くなる。教育費を厚く見れば、老後資金の準備は遅れる。老後資金を急ぎすぎれば、今の生活の余白がなくなる。どれか一つだけを完璧にすることは難しい。

わが家では、まず住宅費を抑えることを優先した。教育費と老後資金は、後から必ず来る。だから、20代の時点で固定費を重くしすぎないことが、最初の資産形成戦略だった。

今振り返ると、3大出費への対応は、節約というより順番の問題だったと思う。最初に住宅費を抑える。教育費は、必要な時期を見ながら準備する。老後資金は、2034年末の退職目標とつなげて積み上げる。

もちろん、これが唯一の正解ではない。家族構成も、住む地域も、収入も違う。しかし、サラリーマン家庭が富裕層を目指すなら、この順番はキャリアと照らし合わせてもある程度妥当だと個人的には考えている。

特に私の場合は、3大出費を別々に見るのではなく、一つながりで考えるようになってから、資産形成の意味が少し変わった。住宅費を抑えることは、単に家にかけるお金を減らすことではない。教育費を準備する余白を残すことでもあり、老後資金を積み上げる時間を作ることでもあった。

そして最終的には、会社に人生を預けきらないために資産形成を継続したいと思う。

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