【退職まで3,098日】
純金融資産が3,000万円を超え、アッパーマス層に到達したのは、たぶん2023年12月頃だった。たぶん、と書くのは、その月の記録がきれいに残っていないからだ。2023年9月時点で、我が家の純金融資産は29,966,693円だった。あと33,307円。
数字だけ見れば、もう3,000万円に届いたようなものだった。ただ、そのあと引っ越しや、家を借りるための支出があった。生活の立ち上げでバタバタしていて、10月から12月あたりの記録もきちんと残っていない。それでも、12月にはボーナスも入っている。だから、実際には2023年12月頃に、純金融資産3,000万円を確実に超えていたはずだ。
2023年当時の私は40代前半で、妻と子どもがいる会社員だった。アメリカ駐在中ではあったが、日本の住宅ローンもまだ残っていた。この記事では、会社員として働きながら、妻と子どもがいて、住宅ローンも抱えている私がアッパーマス層に到達した方法と、その際の感想、純金融資産が3,000万円を超えて日常生活がどのように変化したかについて記事にしてみようと思う。
マス層を出たという高揚感はあった
純金融資産額の定義
この記事で使う資産の定義を整理しておく。この記事で述べる純金融資産額は、野村総合研究所の定義に準ずる。
預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計から負債を差し引いた「純金融資産保有額」
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/20250213_1.html
すなわち、
純金融資産額:世帯が保有している日本円、米ドル、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、年金、コモディティの総額から、負債(住宅ローンやカード残高)を引いたもので、集計当日の円換算時価総額で表すことにする。不動産、自動車、事業用資産の時価を含めない。
金融資産額:現金、預貯金、株式、投資信託、生命保険など、流動性が高く金銭的価値を持つ資産の合計額で、純金融資産のうち、負債を考えない額も算出する。こちらは、金融資産の構成把握、および想定利回りの検討に便利なので、純金融資産額の算出に併せて算出している。
このブログは純金融資産額で富裕層(1億円)を目指すものである。富裕層の定義については、こちらの記事を参照。

純金融資産3,000万円以上5,000万円未満は、一般的にアッパーマス層と呼ばれている。資産の一つの区切りである1,000万円を超えたのが2021年だったので、そこから2年ちょっとで達成ということになる。

自分の資産額を久しぶりに計算してみて、3,000万円を超えたと知ったとき、「マス層を出た」という感覚はあった。生活費も教育費もある。それでも、ここまで来たという高揚感はあったが、新しい環境での仕事に忙殺され、それどころではなかったというのが実際だ。
1,000万円から3,000万円までにやっていたこと
3,000万円に到達したといっても、何か特別なことをしたわけではない。いつも通り、淡々と積み上げを行っていった。1,000万円に到達したときと変わらず、淡々と積み上げるだけ。
振り返ってみると、おそらく1,000万円をコツコツと貯められた人なら、同じことを繰り返せば3,000万円に到達できると思う。分散された、手数料の安い投資信託に投資しつつ、毎月の積立。ボーナスからの追加投資。投資信託を途中で投げ出さないこと。

もちろん、相場にも助けられたし、アメリカ駐在という収入環境に助けられた面もあるが、その分、妻が仕事を退職する必要があったので、アメリカでの生活費を考えると、トータル可処分所得はむしろ低下したのだった。
なので、普通の会社員でも、時間をかけて、家計を崩さずに積み上げていけば、見えてくる範囲であることは実感した。
日本で積み上げた投資信託を放置していただけ
アメリカに来てから、証券会社の規約で、日本の投資信託を自由に買い増すことはできなかった。よって、日本で積み上げてきた投資信託を、そのまま持っていた。
でも、その放置していた投資信託が、2023年も順調に資産を増やしてくれた。自分が毎日何かをして増やしたというより、過去に積み上げたものが、時間をかけて勝手に働いていたという感覚だ(生活は相変わらず)。
このあと、Firstradeで口座を開き、米国市場で取引されるETFを買うようになっていくが、それはまた別の記事で書こうと思う。
毎月の積立とボーナスが効いていた
もうひとつ大きかったのは、やはり入金だった。毎月の積立を続ける。ボーナスが入ったら、使い切らずに大部分を投資に回す。
書いてしまえば、それだけだが、これを何年も続けるのは、意外と簡単ではない。途中で車も必要になる。家電も壊れる。子どもの費用もかかる。引っ越しや住居の立ち上げにもお金が出ていく。
何かあるたびに、積み上げた資産が少し戻る。2023年9月に29,966,693円まで来ていたのに、そこからすぐに3,000万円を超えた記録が残っていないのも、そういう生活の中にいたからだ。
引っ越しがあり、家を借りる支出があり、日々のことでバタバタしていた。資産形成は、きれいなイベントではなかった。ただ、それでも12月にはボーナスが入ったはずなので、おそらくそこで3,000万円を確実に超えたと思われる。
住宅ローンを含む金融資産の内訳
2023年9月時点の数字をもう少し見ると、当時の位置が分かりやすい。このとき、純金融資産は29,966,693円だった。一方で、住宅ローンは12,537,683円。住宅ローンをいったん横に置いて、金融資産だけを見れば、合計は42,504,376円となる。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 日本円 | 11,446,551円 |
| 国内株式 | 6,219,392円 |
| 外国株式 | 20,680,376円 |
| 国内債券 | 124,353円 |
| 外国債券 | 1,025,213円 |
| 年金 | 2,315,371円 |
| コモディティ | 693,120円 |
| 合計 | 42,504,376円 |
表の項目としては国内株式、外国株式となっているが、実態として大きかったのは日本で買っていた投資信託だった。私は、旧積立NISA時代から、ニッセイ外国株式インデックスファンドを購入し、途中でオルカンとS&P500に乗り換えている。このときの積み上げがかなり貢献してくれた。さらに特定口座でも積み上げ続けていた。
これくらいの規模になると、相場によっては一日の変化が±40万円以上なんてことも起こる。すなわち、1ヶ月の給料から投資や貯蓄する分より大きな額が一気に増減することになるのだ。こういった状態を、よく巷でいう「複利が効く」と表現するのだろう。
資産形成というと、何を買うかに目が行きがちだ。でも、振り返ると、何を買ったか以上に、買ったものを持ち続けたことのほうが大きかった。
住宅費を膨らませすぎなかったことも大きかった
投資だけではなく、支出側も大きかった。特に住宅費だ。2023年当時、住宅ローンはまだ1,200万円ほど残っていた。
純金融資産としては3,000万円を超えていても、家計全体を見れば、まだ途中だった。もし住宅費をもっと膨らませていたら、3,000万円への到達はもう少し遠かったと思う。資産形成というと、どうしても投資の話になりやすい。
何を買ったか。どの銘柄が伸びたか。どのタイミングで買ったか。でも、普通の会社員にとっては、投資よりも前に、住宅費が重い。住宅費をどこまで膨らませるかで、毎月の余白がかなり変わる。
我が家の場合も、住宅ローンはあるものの、家計全体が壊れるほどには膨らませなかった。この判断も、あとから見るとかなり効いていた。
派手な節約ではないが、極端に生活を切り詰めたわけでもない。でも、大きな固定費を膨らませすぎなかったことが、毎月の積立やボーナス投入を支えていた。
到達しても日常はほとんど変わらなかった
アッパーマス層に到達した高揚感はあったが、日常が大きく変わったわけではない。
朝は普通に起きる。仕事のメールを見る。会議に出る。家計の数字を見る。子どもの予定を確認する。スーパーの値段も気になる。外食が続けば、少し使いすぎたかなと思う。月曜の朝が軽くなったわけでもない。会社への不満が消えたわけでもない。「もういつ辞めてもいい」と思える金額でもなかった。
これから、教育費もかかる。老後資金も必要になる。だから、3,000万円に到達しても、自由になった感じはなかった。嬉しさはあるが、自由には届かない。マス層を出たという高揚感はあるが、生活は変わらない。
変わったのは、不安の質だった
変わったことがあるとすれば、不安の質と仕事のモチベーションだろうか。

1,000万円の頃は、大きな支出があると、また振り出しに戻るような感覚があったが、3,000万円が見えてきた頃には、支出で資産が減ることはあっても、家計全体がすぐに壊れる感じは少し薄れていた。
同時に仕事のモチベーションもじんわりと低下。しかし、仕事をやめられるほどの資産ではない、という感覚。それが資産3,000万円という金額に、家族持ち住宅ローン持ちのサラリーマンが到達したときに得たリアルな感想である。
まとめ
ここまで、家族持ち住宅ローン持ちサラリーマンがどのように資産3,000万円に到達したかを述べた。さらに、到達後の仕事に対するモチベーションの変化についても考えてみたが、結局、生活レベルも変わらなかった。
純金融資産3,000万円は、人生を変える数字ではなかった。でも、普通の会社員でもコツコツやれば届きそうな範囲にある数字だった。さらに、いよいよ、資産5,000万円射程圏内になった。
